2019/03/03
制度に縛られてる?呪縛を解くのは自分次第か?
こんばんは。横浜市港南区港南台にある吉田歯科クリニック 吉田です。弥生に入りましたね。今月は、ワシントンDCでのAOミーティングがありますので、発表の最終原稿をまとめています。
さて、それはさておき 先日こんな雑誌が出てました。
すごいですね。雑誌の威力は。裏側を特集です。その裏側とは何かしらと思いきや、『頼れる歯医者、危ない歯医者の見分け方』がメイン特集です。
当院には存在しない、顕微鏡のことが書かれておりました〜。顕微鏡は当分は入れることはできないですね。。。保険診療が中心ではなかなか難しい問題です。
保険診療と保険外診療とで料金の比較もされていましたが、保険診療では七割がみなさまの保険料から国が支払っているため、実質窓口で三割だけの支払。これは明らかに比較できるものではありません。ブリッジ一つでの説明がありましたが、海外の治療と、保険での治療は明らかにやっていることが違います。過去のブログでも書かせていただきましたが、金属(金銀パラジウム)を使用したブリッジは日本だけです。そのような治療とインプラントを比較するにはあまりにも馬鹿げていまして、驚きを隠せません。
また、『レジン』での治療を推奨していましたが、レジンでの治療に関しては、きちんと行うのであれば治療時間は1〜1.5時間は必要とされます。そのくらい精度が必要です。現行の保険制度では、一本あたり、どんな簡単でも、難しくても一律料金であるため全くもって治療として成り立つことができないと考えています。
さらにここに書いてないのが、保険診療で使用する金属代金と技工士さんに支払う費用です。現在、金銀パラジウムが30gで45000円です。当院で技工士さんに金属の被せ物一本作成に2600円の費用、金属はおおよそ2.6g使用で3900円、この雑誌には歯科医師の時給が4500円とありました。そして、アシスタント、歯科衛生士の時給、診療台のリース代金、光熱費、材料費など含めるとほとんど利益がありません。というか、やればやるほどマイナスになりかねません。
海外の医療と比べると、日本に関しては医療機関が利益を上げることは表立って推奨されていません。それは、開業する前の日本鋼管病院での経営会議からも知ることはありました。しかし、本当にそれでいいのでしょうか?『赤ひげ先生』では、医療機関の新たな器具への投資、人財の確保などできる状況にはなりません。もちろんその上での『働き方改革』もできるようになるには程遠い話であるかと思います。
最後に、『治療期間が長い』が不満要素の第一位にありましたが、適切な治療に関して適切なコストと対価をいただけるのであればお一人の患者さんに対して二時間などさくことができます。それが全てです。
制度のせいにはできないのですが、制度に縛られている部分もあります。最終的には、保険医返上での歯科治療が一番良い治療でもあったりするかもしれません。